大澤信亮

批評家・日本映画大学准教授

近況

今月発売の「新潮」9月号で「小林秀雄」第一部が完結します。 5年ほど、ほぼ毎月連載を続けてきました。おそらく現時点で400字詰原稿用紙で2千枚を超えているはずです。こんなことになると思っていなかったので、自分自身が驚いています。しかし、今ま…

映画『大地を受け継ぐ』

井上淳一監督の映画『大地を受け継ぐ』が劇場公開された。数年前、東日本大震災について「出日本記」(『新世紀神曲』所収)を書いたとき、私が考えていたのは「自殺した農家の男性」のことだけだった。地震や原発についてなら書くことも語ることもできる。…

今月の仕事

今年もよろしくお願いします。以下、今月の仕事です。連載「小林秀雄」第29回(「新潮」2016年2月号)。浜崎洋介氏との対談「生きることの批評」(「すばる」2016年2月号)。藤野可織氏『爪と目』(2015年12月23日刊行)の文庫版解説。小林の連載は、日中…

最近の仕事

箱根が心配ですが、久しぶりの更新です。この間の「小林秀雄」の連載の見出しは、19回(登山とスキー、深田久弥、「私小説論」)、20回(純粋と通俗、「思想と実生活」論争、中野重治)、21回(中野重治(続)、創元社)、22回(アラン、菊池寛)。…

今月の仕事

「新潮」2月号の「小林秀雄」第18回は「ドストエフスキイの生活」について書きました。「すばる」2月号に「私批評」という批評文を書きました。単独の批評文としては2年ぶりです。なかなかひどい感じですが、力を尽くしたものでもあり、認識的な発見も…

最近の仕事

このところ更新が滞っていたのでまとめて報告します。「新潮」10月号の「小林秀雄」第15回は林房雄と喜代美夫人について、11月号と12月号(第16回と第17回)は2回にわたって小林の戦前のドストエフスキー論について書きました。『永遠の良人』…

今月の仕事

「新潮」9月号の「小林秀雄」第14回は、1933年前後の日本共産党と「転向」について書きました。 この連載は小林秀雄という人を描くことを目標にしていますが、小林について知ろうとすると、小林の生きた時代について知らなければならない、ということ…

今月の仕事

「新潮」8月号の「小林秀雄」第13回は、「Xへの手紙」について書きました。 以下の文章は、「文學界」8月号に掲載される予定だった、杉田俊介氏『宮崎駿論 神々と子どもたちの物語』の書評です。担当とのやりとりは順調に進んでいたのですが、ゲラの再…

今月の仕事

「新潮」7月号の「小林秀雄」第12回は、「眠られぬ夜」と「おふえりや遺文」、それから坂本睦子と小林の関係について書きました。本日付の「産経新聞」に杉田俊介氏『宮崎駿論 神々と子どもたちの物語』の書評を書きました。なお、杉田氏の本については、…

今月の仕事

今月は大学の新学期の開始などで忙しく(今年一年、法政大学でもゼミと大学院を教えます)、報告が遅くなりました。「新潮」5月号の「小林秀雄」第11回は、初期の連載文芸時評の文芸面、とくに横光利一、谷崎潤一郎、室生犀星、里見紝について書きました…

今月の仕事

「新潮」4月号の「小林秀雄」第10回は、初期の連載文芸時評(「アシルと亀の子」以下)について、とくにマルクス主義者との論争について書きました。次回は文芸面について書きます。「群像」4月号で大澤真幸氏『〈世界史〉の哲学 東洋篇』の書評を書きま…

最近の仕事

「新潮」3月号の「小林秀雄」第9回は「様々なる意匠」について書きました。「群像」3月号で大澤真幸氏と対談しています。「波」3月号(今月27日発売)で古井由吉氏の『鐘の渡り』の書評を書きました。昨年末以来、大学の講義と入試業務、その合間に原…

東浩紀氏との公開対談について

0 雑誌掲載の拒否について12月7日に行われた、日本映画大学の講義「ジャーナリズム論」における東浩紀氏と僕(大澤信亮)の対談は、雑誌「文學界」2014年2月号に掲載されることで、双方の了解を取っていました。対談自体は非常に荒れたものの、終了…

今月の仕事+連続対談

「新潮」12月号の「小林秀雄」第6回は長谷川泰子について書きました。 「群像」12月号に大江健三郎氏『晩年様式集』の書評を書きました。双方、この一年で自分が書いた文章のなかで、一番を競うものになったと感じています。それから日本映画大学の今期…

今月の仕事

「新潮」11月号の「小林秀雄」第5回は中原中也について書きました。中原については大岡昇平をはじめ、すでに相当語られてきたので、今回は「名辞以前」という言葉に中原が込めていたものと、詩・書簡・日記などでの小林との接点を書き残すことに集中しま…

報告

今週と来週の「SPA!」で福田和也氏と対談しています。ざっくばらんに色々話してます。

今月の仕事

「新潮」10月号の「小林秀雄」第4回の梗概です。今回は幕末明治の日本とフランスの関係から入りました。1910年の大逆事件で文学から政治が切り離されることで、明治以来、実学性を問われてこなかったフランス文化が結果として隆盛した。そのなかで小…

今月の仕事

「新潮」9月号の連載「小林秀雄」第3回は、富永太郎と、小林の小説について書きました。大岡昇平・江藤淳以来、小林と富永の相互批評は肯定的に論じられてきたのですが、ここでは内容に即せば読み取れる、すれ違いに注目しています。その上で、何十年かけ…

『新世紀神曲』書評

僕の知っている現時点での『新世紀神曲』の書評をお知らせします。古川日出男「「密室」を開くための、問いの連打」(「波」6月号) 安藤礼二「批評、その破壊的再構築」(「新潮」8月号) 池田雄一「その部屋にロマンスはあるのか」(「文學界」8月号) …

小林秀雄

本日発売の「新潮」7月号より連載「小林秀雄」を始めます。わざわざ誌面を頂く以上、色々な企みはあります。しかし、僕の問いを率直に示せば、すでに「新潮」4月号に発表した「小林秀雄序論」で書いたように、どうすれば抜け殻の集積から「生命」を生み出…

新世紀神曲

今月31日に2年半ぶりの第二著『新世紀神曲』が刊行されます。『新世紀神曲』収録は、「復活の批評」(「文學界」2011年3月号)、「出日本記」(「群像」2012年5月号)、「新世紀神曲」(「新潮」2012年12月号)の3本。結果的に、順に、…

今月の仕事

7日発売の「新潮」6月号に山城むつみ氏『連続する問題』の書評を書きました。今月も「群像」で島田雅彦氏、谷崎由依氏と創作合評をやっています。月末に2年半ぶりの第二著『新世紀神曲』が出ます。詳しくはまた後ほど。

今月の仕事

6日発売の「文學界」5月号に藤田直哉氏『虚構内存在』の書評を書きました。今月から3ヶ月「群像」で島田雅彦氏、谷崎由依氏と創作合評をやります。

小林秀雄

本日7日発売の「新潮」4月号から連載「小林秀雄」を始めます(正式には6月発売の7月号より開始ですが、僕は初回のつもりで書きました)。これまで連載や依頼という形式を避けてきたのは、締切に追われて作品が駄目になることを恐れていたからです。事実…

今月の仕事

今月7日発売の「新潮」12月号に「新世紀神曲」という作品を発表します。執筆は「批評と殺生」(「新潮」2010年4月号)の頃に開始し、例の「復活の批評」(「文學界」2011年3月号)があり、震災論「出日本記」(「群像」2012年5月号)があ…

宣伝

下記のイベントに出席します。6月30日 「以後」の「批評」のために出演者は、佐々木敦氏、千葉雅也氏、速水健朗氏。このイベントは映画美学校での佐々木氏の連続講座「批評家養成ギブス」のプレ・イベントです(ちなみに僕は10月31日の講義を担当しま…

有限責任事業組合フリーターズフリーの解散について

2012年3月をもって有限責任事業組合フリーターズフリーは解散しました。僕が有限責任事業組合フリーターズフリーに参加したのは「弱い者がさらに弱い者を叩く社会構造のオルタナティブを示す」という理念においてでした。たとえば僕が一貫してこだわっ…

報告

今月7日発売の「群像」5月号に作品を発表します。読んでください。

宣伝二つ

今月出席するイベントです。どちらも参加自由で無料です。11月6日 3・11以後の社会と私たち(恵泉女学園大学学園祭) 11月17日 批評ということ(静岡県立大学看護学部)僕は3月11日以降、難航している別の長編批評とともに、ずっと災害論の準備…

坂口安吾研究会

直前ですが以下のイベントの告知です。 9月24日 いま、安吾を読む(坂口安吾研究会) 僕は坂口安吾について何かを書きたいと思ったことがありません。文学的な評価が高いことも知っているし、心をつかまれる言葉も確かにあるのですが、根本的に不徹底な人…