大澤信亮

批評家・日本映画大学准教授

告知・訂正・その他もろもろ

まず、明後日の文学フリマに出ます。ブースは「ロスジェネ」&「フリーターズフリー」。当日は浅尾大輔さん、増山麗奈さん、栗田隆子さん、杉田俊介さん、そして僕が売り子やります。販売するのは「ロスジェネ」や「FF」だけでなく、知人の刊行物なども含みます。たとえば、僕は「大澤信亮ウェブ削除文集」という、かつて(2000年〜2002年頃)ウェブに書き、自ら削除した文章の全文をプリントアウトしたものを販売します。分量でいうと7万3000字、400字詰め原稿用紙230枚、A4用紙で52枚ほど。予価500円。なぜかつて削除したものを今更公開するのか、しかも、ウェブではなくこのようなかたちで行うのかは「はじめに」に書きました。遠方の方で購入希望の方がいれば、連絡頂ければ在庫を控えておき、後ほど送料別途でお送りいたします。
なお今回の文学フリマでは、批評家の東浩紀さんが監修する「ゼロアカ道場」の第4次関門、道場生がペアで同人誌を発売し、その売上を競うというイベントが行われます。僕は、やずやさん・三ツ野陽介さんペアの「ケフィア」という同人誌で、三ツ野さん、杉田さんと「批評は何を語るのか」という鼎談をしています(三ツ野さんによる紹介はこことかここ)。僕はそこで、2000年代初頭の批評の状況から今に至るまで、具体的なトピックとしては、柄谷行人、NAM、鎌田哲哉、「重力」、「フリーターズフリー」、「ロスジェネ」、東浩紀宇野常寛ゼロアカ道場などについて、自分がどう考えているかをざっくばらんに語っています。これはこの三人だから話せたことで、他の人とは話せなかっただろうし、今後話すつもりもない一回的なものです。過去を美化するつもりも現状を腐すつもりもなく、ある出来事を通過した後で、固有の問いをつかむ(つかまれる)とはどういうことかを三者が三様に問うています。「新潮」の「柄谷行人論」、上述の削除文集、この鼎談をセットで読んでもらうといいのではないか。

その柄谷論ですが、カール・マルクス『経済学批判要綱』の引用にミスがありました。ただし論旨そのものに影響はありません。執筆時点で依拠したのは1978年発行の第14刷でしたが、掲載の時点で依拠したのは1958年発行の第1刷で、そこに異同があったということです。最終的な確認を怠った僕のミスです。よって、「新潮」2008年11月号、283ページ上段13行目から20行目までの引用を、下記に訂正します。

いっさいの生産物と活動とを交換価値に解消することは、生産におけるいっさいの不動の人的(歴史的)依存関係を解消することとともに、生産者相互間の全面的依存性をも前提している。どの個人の生産も他のすべての人々の生産に依存しており、それとともに[また]彼の生産物を自分自身の生活手段に転化することも、他のすべての人々の消費に依存したものとなっている。(『経済学批判要綱』高木幸二郎監訳)

ようするに、すべてが交換価値に巻き込まれるためには、人的・歴史的依存関係が解消され、生産者相互が全面的依存関係に入らねばならない、というのがマルクスの論旨であり、僕もそれに準拠したわけですが、雑誌掲載の第1刷版では、「いっさいの生産物と活動とを交換価値に解消することは、生産におけるいっさいの不動の人的(歴史的)依存関係とともに、生産者相互間の全面的依存性をも解消することを前提している」となっており、続く箇所との整合性が取れない。お詫びとともに訂正します。

それから、ほぼ品切れ状態だったFF1号が増刷完了。読者の皆様に感謝します。
今月12日にはNHK教育の「福祉ネットワーク」という番組でFFが取り上げられます。

「働くこと問い直そう(第1回)発信を始めた非正規雇用者たち」
2008年11月12日(水)20:00〜20:29 教育テレビ・全国放送
(再放送 19日(水)13:20〜13:49 教育テレビ・全国放送)

僕の家や大学での講義風景、組合員とのスカイプ会議なんかも映ると思います(撮影したので)。
そして長らくお待たせしたFF2号もついに今月末に刊行されます。また後ほど報告しますが、今回はすごいですよ。誰もやってなかったことを、誰もやっていないかたちでやる、というのがFFの方針になりつつありますが、今回は本当に前人未踏の試みだと思います。満身創痍です。どうぞお楽しみに!