大澤信亮

批評家・日本映画大学准教授

近況

今発売中の「現代思想」(特集 ケアの未来──介護・労働・市場)に掲載されている、市野川容孝+杉田俊介+堀田義太郎「「ケアの社会化」の此/彼岸」がすごいことになっています。難解ですが、この難解さは、ケアの現場で「ケアする人/される人」という非対称性に向き合っている各氏が、そこにある語り難いものを語ろうとしていることに起因しているように思います。たとえばこの非対称性は固定的ではない。ケアをしていたつもりがケアされていた、社会的には「無能力」とされる人が良いヘルパーに成り得る、そういう生存の不思議から社会を見つめ直す。つまり狭義のケアの話ではない。私たちの内部に巣食うケア的なものとその処理方法が根底から問い直され、未曾有のビジョンが切り開かれようとしています。それにしてもこんな討議がよく成立し掲載されたものです。

直前ですが今週金曜日(6日)に阿佐ヶ谷ロフトでイベントを行います。
「大転換時代を生き抜く 女性と貧困」
どんな話になるかわかりませんが、ざっくばらんにやるつもりです。