大澤信亮

批評家・日本映画大学教授

2009-01-01から1年間の記事一覧

思想地図と悍

今回の「思想地図」4号はすごい。というか東浩紀がすごい。閉じられていきそうになる議論を開く力というのか。これは「批評空間」の読者だった人間にはひどく懐かしい感覚だった。それを古いとは思わない。むしろ周囲の「若者」を圧倒する新しさがある。正…

朗報三つ

この短期間に僕にとって喜ばしい本が3冊刊行されます。まず「ロスジェネ」の浅尾大輔さんの初単著『ブルーシート』。これは本当に嬉しい。浅尾さんは自分の言論や活動が社会的な関心とクロスする日が来るとは思っていなかったのです。それでも、目の前にい…

イベント告知

まず、先日の紀伊国屋イベントにご参加・ご協力頂いた方々に、心より感謝申し上げます。十分に議論を展開できなかった部分もありますが、あの場で話したことは引き続き考えていくつもりです。 その延長上になるのかどうかわかりませんが、来月、下記のトーク…

夏目漱石のこと

下記のシンポに向けて漱石がいかに語られてきたのかを読み直しています。 8月10日 近代100年の問い(紀伊国屋サザンシアター) 漱石論の系譜はおおむね次のようにまとめることができます。 1小宮豊隆(則天去私・弟子による神話化)→2江藤淳(他者・…

イベント告知

下記のシンポジウムを開催します。昨年の紀伊国屋サザンシアターのイベントでは、東浩紀さん、赤木智弘さん、雨宮処凛さん、萱野稔人さん、杉田俊介さんという豪華メンバーをお招きしましたが、今回も、文学者の小森陽一さん、美術家の会田誠さんという、こ…

近況

いよいよ増山麗奈責任編集「エロスジェネ」(「ロスジェネ」3号)の発売です。現在、紀伊国屋書店新宿本店・南口店で先行販売中。全国の書店に並ぶのは7月中旬頃の予定です。推薦文は上野千鶴子氏。さらに刊行記念イベントも連続で予定しています。まず第…

應典院イベント(大阪)

直前ですが下記のシンポジウムに参加します。6月13日 働く意味・仕事の未来(應典院)ユニオンエクスタシーの小川恭平さんと井上昌哉さんは、京都大学の非正規雇用職員の首切り問題で、学内を占拠して抗議運動をしています。僕自身も大学の非常勤講師とい…

文学フリマ&デモの感想

5月10日の文学フリマに「葬&ロスジェネ&フリーターズフリー」として参加します。それにしても字面がヤバいね。僕は(たぶん)ここだけでしか手に入らないレアアイテムを若干数販売する予定。今回の自由と生存のメーデーで気になったこと。1.出発して…

報告

今年から恵泉女学園大学でも非常勤を3コマ持つことになりました。講義が開始する前に目処をつけねばならない原稿を抱えていますが、しかし花見の季節ですね。友人でミニコミ誌「葬」の編集長のおもだか大学さんが、4月2日深夜のフジテレビ関東ローカル番…

近況

現在発売中の「小説トリッパー」(特集「脱貧困の想像力」)に浅尾大輔さんの小説「ブルーシート」が掲載されています。言いたいことはあります。実際に少しは伝えました。いずれ徹底的に書くでしょう。でも何よりもまず、この息苦しさを感じることです。妙…

近況

今発売中の「現代思想」(特集 ケアの未来──介護・労働・市場)に掲載されている、市野川容孝+杉田俊介+堀田義太郎「「ケアの社会化」の此/彼岸」がすごいことになっています。難解ですが、この難解さは、ケアの現場で「ケアする人/される人」という非対…

謹賀新年+連絡

あけましておめでとうございます(僕は年賀状を書かないので、この場でご挨拶いたします)。昨年は例年に増して多くの方々にお世話になりました。メディアや雇用を含め、従来の社会の在り方が崩れていく過程で出会えた方々はいずれも真摯で逞しく、疾風に勁…