大澤信亮

批評家・日本映画大学教授

小林秀雄

本日7日発売の「新潮」4月号から連載「小林秀雄」を始めます(正式には6月発売の7月号より開始ですが、僕は初回のつもりで書きました)。これまで連載や依頼という形式を避けてきたのは、締切に追われて作品が駄目になることを恐れていたからです。事実…

今月の仕事

今月7日発売の「新潮」12月号に「新世紀神曲」という作品を発表します。執筆は「批評と殺生」(「新潮」2010年4月号)の頃に開始し、例の「復活の批評」(「文學界」2011年3月号)があり、震災論「出日本記」(「群像」2012年5月号)があ…

宣伝

下記のイベントに出席します。6月30日 「以後」の「批評」のために出演者は、佐々木敦氏、千葉雅也氏、速水健朗氏。このイベントは映画美学校での佐々木氏の連続講座「批評家養成ギブス」のプレ・イベントです(ちなみに僕は10月31日の講義を担当しま…

有限責任事業組合フリーターズフリーの解散について

2012年3月をもって有限責任事業組合フリーターズフリーは解散しました。僕が有限責任事業組合フリーターズフリーに参加したのは「弱い者がさらに弱い者を叩く社会構造のオルタナティブを示す」という理念においてでした。たとえば僕が一貫してこだわっ…

報告

今月7日発売の「群像」5月号に作品を発表します。読んでください。

宣伝二つ

今月出席するイベントです。どちらも参加自由で無料です。11月6日 3・11以後の社会と私たち(恵泉女学園大学学園祭) 11月17日 批評ということ(静岡県立大学看護学部)僕は3月11日以降、難航している別の長編批評とともに、ずっと災害論の準備…

坂口安吾研究会

直前ですが以下のイベントの告知です。 9月24日 いま、安吾を読む(坂口安吾研究会) 僕は坂口安吾について何かを書きたいと思ったことがありません。文学的な評価が高いことも知っているし、心をつかまれる言葉も確かにあるのですが、根本的に不徹底な人…

思想の登龍門

今月21日に朝日カルチャーセンター新宿教室で下記の講義をします。思想の登龍門昨年10月の『神的批評』の刊行以来、いわゆる刊行記念イベントのお誘いはすべて断ってきました。「ロスジェネ」4号でも話した通り、僕はイベントや公開トークにあまり可能…

第24回三島由紀夫賞(追記)

第24回三島由紀夫賞の最終候補に『神的批評』が選ばれました。候補に選んで下さった関係者各位、読んで頂く選考委員の方々に、心より感謝申し上げます。三島賞に批評がノミネートされるのは12年ぶり、受賞に至れば14年ぶりとのこと。ぜひこの機会に久…

思想家

nobody賞の副賞の100万円ですが、東北義援金として、日本赤十字社に全額寄付しました(信頼できる専門家に聞いたところ、現時点ではもっとも妥当な寄付先とのことです。新聞で報道された寄付先を翻すことになってしまい申し訳ありません)。大切な友人知…

今月の仕事(追記あり)

今月は「新潮」に「山城むつみのミッション」(26枚)を掲載します。これについては多くを語りません。とにかく読んでほしい。これもまた論争文ですが、先月の「復活の批評」や「いかに神の力を発動させるか」とは性質が異なります。ただし、どれに優位が…

今月の仕事

今月は「文學界」に「復活の批評」(100枚)を、「atプラス」に「いかに神の力を発動させるか──「『世界史の構造』を読む」を読む」(30枚)を掲載します。いずれも論争的な性質の文章です。僕はかつてある人と「論争の問題を考え続ける」と約束しまし…

感謝

『神的批評』の刊行からほぼ一ヵ月経ちました。ネットで言及してくれた方々、言及せずともいち早く購入してくれた方々、それから、この本を売ろうと尽力して頂いた書店員の方々のおかげで、刊行一週間で増刷という好スタートが切れました。心より感謝いたし…

神的批評

僕の初めての単行本『神的批評』が刊行されます。 大澤信亮『神的批評』(新潮社)最初にお金を貰って原稿を書かせて頂いたのが9年前。それから本当に色々ありました。単行本の刊行が物書きの正式なデビューだとすれば、ずいぶん遅かったという感じがするか…

近況

遅ればせながら近況の仕事の報告です。『フェミニズムはだれのもの? フリーターズフリー対談集』とくに栗田隆子さんの奮闘に注目して欲しい。FF2号もそうでしたが、一人の女性が中心となり、様々な立場の人間と対等に議論し合う空間を作り上げたことの意…

ロスジェネ最終号

いよいよ「ロスジェネ」最終号の刊行です(予定の3月中に刊行できずに申し訳ありませんでした)。225ページ、ハードカバー、1000円(税別)。はっきり言って、刷った分が全冊売れても殆ど利益なしという価格設定なのですが、決定的なかたちで終わら…

終わりし十年の記念に

今月は自分にとって記念的な三つの仕事を発表します。まずはロスジェネ4号。じつは今回で最終号です。詳細はロスジェネHPの巻頭言を読んでください。僕は原稿用紙90枚ほどの浅尾大輔論、杉田俊介さんとの12時間を超える対話(原稿用紙600枚分)を…

思想地図と悍

今回の「思想地図」4号はすごい。というか東浩紀がすごい。閉じられていきそうになる議論を開く力というのか。これは「批評空間」の読者だった人間にはひどく懐かしい感覚だった。それを古いとは思わない。むしろ周囲の「若者」を圧倒する新しさがある。正…

朗報三つ

この短期間に僕にとって喜ばしい本が3冊刊行されます。まず「ロスジェネ」の浅尾大輔さんの初単著『ブルーシート』。これは本当に嬉しい。浅尾さんは自分の言論や活動が社会的な関心とクロスする日が来るとは思っていなかったのです。それでも、目の前にい…

イベント告知

まず、先日の紀伊国屋イベントにご参加・ご協力頂いた方々に、心より感謝申し上げます。十分に議論を展開できなかった部分もありますが、あの場で話したことは引き続き考えていくつもりです。 その延長上になるのかどうかわかりませんが、来月、下記のトーク…

夏目漱石のこと

下記のシンポに向けて漱石がいかに語られてきたのかを読み直しています。 8月10日 近代100年の問い(紀伊国屋サザンシアター) 漱石論の系譜はおおむね次のようにまとめることができます。 1小宮豊隆(則天去私・弟子による神話化)→2江藤淳(他者・…

イベント告知

下記のシンポジウムを開催します。昨年の紀伊国屋サザンシアターのイベントでは、東浩紀さん、赤木智弘さん、雨宮処凛さん、萱野稔人さん、杉田俊介さんという豪華メンバーをお招きしましたが、今回も、文学者の小森陽一さん、美術家の会田誠さんという、こ…

近況

いよいよ増山麗奈責任編集「エロスジェネ」(「ロスジェネ」3号)の発売です。現在、紀伊国屋書店新宿本店・南口店で先行販売中。全国の書店に並ぶのは7月中旬頃の予定です。推薦文は上野千鶴子氏。さらに刊行記念イベントも連続で予定しています。まず第…

應典院イベント(大阪)

直前ですが下記のシンポジウムに参加します。6月13日 働く意味・仕事の未来(應典院)ユニオンエクスタシーの小川恭平さんと井上昌哉さんは、京都大学の非正規雇用職員の首切り問題で、学内を占拠して抗議運動をしています。僕自身も大学の非常勤講師とい…

文学フリマ&デモの感想

5月10日の文学フリマに「葬&ロスジェネ&フリーターズフリー」として参加します。それにしても字面がヤバいね。僕は(たぶん)ここだけでしか手に入らないレアアイテムを若干数販売する予定。今回の自由と生存のメーデーで気になったこと。1.出発して…

報告

今年から恵泉女学園大学でも非常勤を3コマ持つことになりました。講義が開始する前に目処をつけねばならない原稿を抱えていますが、しかし花見の季節ですね。友人でミニコミ誌「葬」の編集長のおもだか大学さんが、4月2日深夜のフジテレビ関東ローカル番…

近況

現在発売中の「小説トリッパー」(特集「脱貧困の想像力」)に浅尾大輔さんの小説「ブルーシート」が掲載されています。言いたいことはあります。実際に少しは伝えました。いずれ徹底的に書くでしょう。でも何よりもまず、この息苦しさを感じることです。妙…

近況

今発売中の「現代思想」(特集 ケアの未来──介護・労働・市場)に掲載されている、市野川容孝+杉田俊介+堀田義太郎「「ケアの社会化」の此/彼岸」がすごいことになっています。難解ですが、この難解さは、ケアの現場で「ケアする人/される人」という非対…

謹賀新年+連絡

あけましておめでとうございます(僕は年賀状を書かないので、この場でご挨拶いたします)。昨年は例年に増して多くの方々にお世話になりました。メディアや雇用を含め、従来の社会の在り方が崩れていく過程で出会えた方々はいずれも真摯で逞しく、疾風に勁…

今月のイベント

今月参加するイベントを報告します。12月9日 帝国ナイト 主催の大橋可也さんは、土方巽の暗黒舞踏の系譜に位置する、注目の振付家・舞踏家です。コンテンポラリーダンス界で労働問題に関心を寄せている、僕の知る限り唯一の人です。今月末には新国立劇場…